あんとすぅと いっぽいっぽ

子供といっしょにちょこっとお出かけ、働きながらちょこっと手作り・・・そして日々思ったことなどを綴っていこうと思います。

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「神様のカルテ」夏川草介著

昨年末にイノダコーヒのアラビアンパールに絡み
ちょこっと書いた「神様のカルテ」(参照はこちら

あらてめてじっくりと読後感想を書きたいと思います。
最初にお断りしておきますが
かぁちゃんの読後感想文はネタばれ大アリです。
なので、内容を知りたくない方は
さらっと読みとばしてください。

「神様のカルテ」は

信州にある「365日24時間対応」をモットーにかがける
地方の中堅病院が舞台

著者である夏川草介さんも信州大医学部卒
長野県で地域医療に従事する現役のお医者様だということなので
この小説の主人公のモデル?と思わせます。

さて物語の主人公
内科医の「栗原一止」(くりはらいちと)先生ですが
ちょっと変わっていて
夏目漱石を敬愛し「草枕」をそらんじるほど
愛読しており
ゆえに、常にしゃべる言葉も
どこか古風で変?!

文章のいきなりの書き出しで

「私は慨嘆した」だの(慨嘆がいたん=なげきかなしむこと)

「重篤な事態」だの(重篤じゅうとく=症状が非常に重いこと)

およそ、日常会話では久しく使われない言葉で語る
イチト先生の心のつぶやきから始まるのである。

で何に憂い嘆き重篤な事態を引き起こしているかと言うと

「今日は細君との結婚記念日であるのに
何たること救急外来の当直に当たってしまっている」

というわけである。

イチト先生の勤める病院は
「365日24時間いつでも患者さんを診ます」と
看板を掲げているものだから
いつでも、救急はいっぱいで
慢性的に医者不足。

この小説
今の日本がかかえるさまざまな医療問題をさらっと
提示させてあります。
いわゆる
慢性的医者不足による過剰労働
地方医療の疲弊
終末医療への対応など・・・

同じくお医者様の小説家
海堂尊氏の作品が
医療問題の提議のように
さまざまな問題を訴えているに対し
(「バチスタの栄光」ではAIの普及を
「イノセントゲリラの祝祭」では遅々として進まぬ医療行政に対する
厚生労働省への不満など
このかたは小説のかげにかくれ常に医療の現状に対して
怒ってはるんやと読んでいて思う。
もちろん、それも含めてこの方の作品、好きですが)

夏川先生の書かれる小説は
その辺はさらっと・・・

なので、あえて、この本を読んで一番
感動した場面を上げるとしたら

それは病院内のことではなく

イチト先生と同じアパートに住む学士さんへ
イチト先生が「贈る言葉」である。

アパートに住まうちょっと変わった住民たち
みんなあだ名が付いていて
売れない絵描きの「男爵」
大学院で勉学する「学士」
そしてイチト先生は「ドクトル」である。
(この辺りも夏目漱石の「坊ちゃん」のようです)

で、その「学士」殿でありますが

大学院で勉学しているということでしたが
実は学歴は高卒どまり
大学に行っているなんて真っ赤な嘘。

実家から姉が迎えに来て
自分を恥じて自殺をはかり
イチト先生に助けられます。

「嘘をついていた」と告白する学士殿に
「嘘ではない!」と断じる
いつもは冷めたイチト先生の熱弁が
心に響きます。

「あなたの博識は事実だ。高卒だろうが大卒だろうが、
古今東西の書籍に通じドイツ哲学に造詣深く
ニーチェを語らせればその弁理と博識は他を圧してあまりある。
そのことは誰より私がよく知っている」

「笑うものあらば笑うがいい。
貴君は常に前進してきたのだ。われわれがその証人だ」

不器用な学士殿・・・

しかし、
高度医療を学ぶために大学へもどり医局にはいれと
誘われながら
末期がんの患者に寄り添う医者がいても良いだろうと
地方病院の医師の道を選ぶイチト先生もまた
不器用ながら一所懸命
自分の信じる道を行こうとするまじめな一青年であります。

作者の夏川氏は
イチト先生の仕事を医者としながらも
書きたかったのは「医療小説」ではなく

こういう、不器用でも一所懸命生き抜く人たちのことを
書きたかったのでは
と思います。

だからこそ・・・
イチト先生の周りにいる
「男爵」や「学士」
そして死にいく患者さんの言葉が優しく心に浸みるのです。

こんなのできすぎた話

お涙ちょうだいのヒューマンドラマ

と言い切ってしまえばそれまでですが

それでも

人は懸命に生きている

そのことを改めて気づかせてくれる作品です。


神様のカルテ神様のカルテ
(2009/08/27)
夏川 草介

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あんすぅままの育児日記

ダンサー
一卵性双生児あんとすぅ(6ヶ月の頃)です

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あん(♀)  2004年6月生まれ
出生体重1992gと小粒で生まれた
ものの保育器から出てすぐの
おっぱい授乳で80ccを飲み
看護婦さんを驚愕させたつわもの。
今も食べるの大好き娘です。

すぅ(♀)   2004年6月生まれ
出生体重1624g
あんよりもっと小さく生まれたけれど
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