あんとすぅと いっぽいっぽ

子供といっしょにちょこっとお出かけ、働きながらちょこっと手作り・・・そして日々思ったことなどを綴っていこうと思います。

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なつかしい大学生活「砂漠」伊坂幸太郎著

昨日の「百瀬、こっちを向いて」が高校生活の話なら
伊坂幸太郎の「砂漠」はその先にある大学生の話。

そうそう、こうやってなんとなくグループってできたのよね
とこれまた、「あの頃」思い出す作品。

大学に入学して初めてのコンパ
「幹事役の莞爾でーす」と司会を務めるお調子ものの
「莞爾」が仕切るコンパに
遅れて登場した「西嶋」

この西嶋のキャラクターがぶっ飛んでいる。
まるまるとした顔に小太りの体。
黒ぶちめがねのかっこ悪い男・・・
いきなりマイクをつかみ無気力な大学生をなじるように演説を始める。
アメリカのイラク派兵に憤慨し
空気よめないKY野郎と周りの失笑を買っても
そんなこといっこうにお構いなし
そして言うのである。

「あのね、僕たちがその気になればね
砂漠に雪を降らすことだって、余裕でできるんですよ」


もうこの台詞で心臓打ち抜かれちゃいました、わたくし・・・

は?って鼻で笑っちゃいます?
うざいやつって軽蔑の眼差しをむけますか?

でも・・・
大学時代ってそれこそ
自分たちって何でもできる!
って思い込んでいい時期なんじゃないのかと。

荒唐無稽でモラトリアムな時代

そんな時代を、確かに私も過ごしたなと・・・

このぶっとんだ個性的な西嶋のキャラクターは
他の場面でも遺憾なく発揮される。

コンパの後1ヶ月がすぎ
西嶋にマージャンに誘われる
主人公の北村。
彼はマージャンなんかやったことがなくて
なぜ、自分が誘われたのかわからない。
自分のほかに選ばれたメンバーは
通りすがりの誰もが振り向くほどの学校一の美人「東堂」
念力を持つ超能力少女「南」

そうつまり
「トーナンシャーぺー(東南西北)」
麻雀の卓を囲む方角の名前を持つというだけで
メンバーに選ばれたのだ!(なんたるばかばかしさ!)
そしてこの時の麻雀メンバープラス
家を提供してくれたお金持ちの鳥井
5人でグループが構成され
彼らは春・夏・秋・冬
大学生活を送るのである。

まだまだあるぞ西嶋にまつわるエピソード

賭けボーリングでは
ボーリングを知らない念力少女「南」が
スプリットの真ん中をボールが通れと(それが勝ちだと思ったので)
念じたにもかかわらず
超難しいスプリットをとって、グループメンバー鳥井の
窮地を救っちゃうし。

保健所のHPで里親探しの犬の掲示板を見て
明日「処分」される運命の犬を
後先のことなにも考えず
引き取りにいっちゃうんだ!
「そんなことしたらまた、次、処分が決まった犬も
引き取りに行くのかよ」と聞く北村に

「そんなことしない」ときっぱりと断言

じゃぁなぜ?

「今回は見てしまいましたから」
見てしまったら、助けずにはいられないじゃないかと。

この前にも西嶋はたとえ話でタイムスリップの話をするのだが
自分が過去の時代に行ったとして
目の前で病気でばたばた死んでいくやつがいる。
自分はその時代にはないその病気に有効な抗生物質を持っている。
それならば
「歴史が変わるからとか何とか考える前に
その抗生物質をばんばん使っちゃえばいいんですよ」

「今、目の前で泣いている人を救えない人間がね
明日世界を救えるわけはないんですよ」


もうここまできたら西嶋の魅力にノックアウト

そしてグループのクールな美人学生「東堂」も
西嶋に魅かれていくのである。

うざい西嶋はこれまでの中学、高校時代
つねに人から浮き上がり避けられてきたんだろう。
だからこその東堂のセリフが泣かせる。

東堂が北村に告げる。

二人が付き合うきっかけになる出来事。
東堂のバイト先に向かう西嶋は
北村と北村の彼女に「洋服」を選んでもらって
それで乗り込んでいくのだが・・・

「西嶋は言っていた。

北村と北村の彼女が選んでくれたんですよって

友達に選んでもらったんですから、って。
誇らしげだった。

恵まれないことには慣れていますけどね、
大学に入って、『友達』には恵まれましたよって」と

春夏秋冬を供にすごし
4年間がすぎ最後の春

卒業

卒業式を終えあちこちでそれぞれのグループが
名残惜しそうに写真を撮ったり話をしている
キャンパス

あいかわらず軽薄そうな服を着た莞爾が
北村のもとにきて
「俺さ、本当はおまえたちみたいなのと仲間でいたかったんだよな」
と告げ、同じように派手な化粧をし華やかな服に身を包んだ一団のもとに
帰っていく。

さまざまなシーンがそこかしこで演じられ

そのぞれのグループが「夢見る頃」を
疾走した大学4年間というかけがえのない時代を

「卒業」し、社会という「砂漠」へ向かっていく。

そう、私もそんな風に「夢」のような時代をすごした。

そんな大学時代を思い出す作品


最後に蛇足ながら・・・

この物語、熱すぎる西嶋があまりにもうっとおしく
なんだかくさい青春群像物語に
陥りそうになった時
熱い西嶋の対極にいるような冷めた主人公北村がはく一言

その言葉が
熱い文面をさらっと冷やしてくれる。

「なんてことは、まるでない」

さくっとそれまでの思いを茶化し、
「おいおい、違うのかい!」と突っ込みをいれたくなるような
絶妙なタイミングで折り込まれる
「なんてことは、まるでない」と言う台詞は
それゆえに「嘘くさい」と思われる話に
かえって真実味を加えている。

作者を「巧いなぁ」と思わせる所である。

秋の夜長の読書タイムに

「読んでみて損はなし」

なーーんてことは、まるでない
(いや、嘘。読んでみて!)



砂漠 (新潮文庫)砂漠 (新潮文庫)
(2010/06/29)
伊坂 幸太郎

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文中に使った「夢見る頃」はこちらのタイトルからの引用です。
夢みる頃をすぎても (小学館文庫)夢みる頃をすぎても (小学館文庫)
(1995/06)
吉田 秋生

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吉田秋生さんのこちらの漫画も
高校、大学の「青春時代」が切なく描かれた名作
(時代的にはすこし古く全共闘世代?かな)

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*Comment

NoTitle 

家日和、面白かったですよね。奥田英明さんは、私も好きな作家の1人なんですが、どうして、こうも女の人の微妙な心理とか、襞の部分が分かるんだろう?って不思議に思ってしまいます。早く新刊でないかなあ。
 伊坂幸太郎さん、私は実はまだいい!と思ったことないんです。どうも入れないというか・・・。砂漠、猛一回、挑戦してみようかしら・・・。

 ちるみゅー、定期的に行かれてますね!うちは、行きたいと思いつつ、なんだかんだと今年もあまり行けずでした・・・。2人の美味しいっ!ってぱっと弾けるような笑顔がいいですね♪
  • posted by 玄ママ 
  • URL 
  • 2010.11/27 06:43分 
  • [Edit]

玄ママさんへ 

玄ママさんも奥田英朗お好きですか?
「ガール」も読まれたのかしら?
本当に女性の心の襞をよーく書き込まれる作家さんですよね。
伊坂さん、私は会社の人に勧められ
いっきにのめりこみました。
好き嫌いの分かれる方だと思いますが、
もし、「砂漠」読まれたら
玄ママさんの感想も聞いてみたいです。
  • posted by あんすぅまま(お返事) 
  • URL 
  • 2010.11/27 22:31分 
  • [Edit]

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あんすぅままの育児日記

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一卵性双生児あんとすぅ(6ヶ月の頃)です

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Author:あんすぅまま
あん(♀)  2004年6月生まれ
出生体重1992gと小粒で生まれた
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おっぱい授乳で80ccを飲み
看護婦さんを驚愕させたつわもの。
今も食べるの大好き娘です。

すぅ(♀)   2004年6月生まれ
出生体重1624g
あんよりもっと小さく生まれたけれど
自己主張のはっきりしたがんこもの

とーちゃん 大阪生まれ
得意料理はお好み焼きとたこ焼き
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